タクシー運転手に必要な免許とは?種類や取得方法などを解説
タクシー運転手として働くためには、一般的な免許とは異なる免許が必要となります。普通自動車を運転できる免許とは、取得方法や試験内容などが異なるので、普通免許をもっていても、また別の試験を受けることが必須となります。
この記事では、タクシー運転手に必要な免許の種類や取得方法についてを詳しく解説します。記事後半では、試験と講習の内容、免許取得から働くまでの流れも紹介するので、タクシー運転手を目指す方は参考にしてください。
第二種免許の概要
タクシー運転手として働くには、第二種免許の取得が必須です。では、第二種免許とはどんな免許なのかを、第一種免許との違いや取得条件などを踏まえてみていきましょう。
第二種免許とは
第二種運転免許とは「人を乗せて運び、運賃をもらう」旅客運送のために必要な免許です。 商業用車両を運転するときに第二種免許の所有を求められ、一般的な運転免許とは異なる厳しい基準が設けられています。
また、お客さんを乗せずにタクシーを運転するだけなら、二種免許は必要ありません。第二種免許を取得することで、タクシー運転手として活躍する道が開かれるのです。
第一種免許との違い
第一種免許は、個人で自家用車を運転するために必要な自動車免許です。一方で、第二種免許は、自動車運転を仕事にするための免許であり、その取得にはさらに高度な技能と知識が必要です。
具体的には、第一種免許では乗用車や小型トラックを運転できますが、第二種免許ではタクシーやバス、ハイヤーなどの商業車両の運転が可能となります。
また、第二種免許取得者は、運転業務のための管理や乗客の安全確保に関する専門的な教育も受けており、これが第一種免許との大きな違いとなります。
さらに、第二種免許の取得が必要な車両には、一般車両とは異なる専用のナンバープレートが付けられます。第二種免許は、仕事目的で人を乗せるために必要であって、家族や友人とドライブするだけであれば第一種免許で問題ありません。
第二種免許の種類
第二種免許にはいくつか種類があります。それぞれの種類によって運転できる車両が異なり、取得するための条件も変わります。主に、乗せる人数や車両の重量によって免許区分がされています。
タクシーやハイヤーの運転手が取得する免許は、普通第二種免許です。タクシー運転手を目指すのであれば、普通第二種免許を取得すれば問題ないでしょう。
バスの運転手であれば、中型第二種免許や大型第二種免許が必要となります。マイクロバスなどの中型バスを運転するためには、中型第二種免許が必須です。大型バスや観光バスの運転手を目指す場合は、大型第二種免許の取得を目指しましょう。
第二種免許はほかにも、トレーラーなどの運転時に使用するけん引第二種免許、クレーン車などの特殊大型車両を運転するための大型特殊第二種免許が存在します。取得時には、大型車両の運転技術と、長時間の運行に耐える体力が求められます。
大型二種免許をもっていれば、中型二種や普通二種が必要な車両も運転できます。バスの運転手がタクシーの運転手をする場合は、そのままの免許で問題ありません。
第二種免許の取得条件
第二種免許を取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、第二種免許を取得するには、まず第一種免許を保有していることが前提です。第一種免許を取得していない場合は、先に取得しておきましょう。
また、普通第二種免許の場合、第一種免許取得後に一定の運転経験が必要です。以前までは、21歳以上であるかつ3年以上の運転経験が必要でしたが、令和4年5月13日から条件が緩和され、19歳以上であるかつ普通免許などを受けていた期間が1年以上であれば、受験資格が得られるようになりました。
ほかにも視力、聴力、色覚、運動能力など、運転に必要な健康診断をクリアしなければなりません。とくに視力は厳しく、片眼で0.5以上、両眼で0.8以上 の視力が求められます。
取得のための条件が整った上で、第二種免許の講習と試験へ移ります。交通法規や応急処置、運行管理に関する知識を問う学科試験、車両の操作や乗客の安全確保に関するスキルを厳しくチェックする実技試験の合格が必要となるのです。
第二種免許を取得するための試験と講習
第二種免許を取得するためには、学科試験や技能試験に加え、講習で必要な知識と技術を身につけることが求められます。試験や講習を通じて、安全かつ適切に旅客輸送をする能力を養うことが重要です。以下より、内容を詳細に紹介します。
学科試験
第二種免許の学科試験は、交通法規や運転理論、安全運転の知識を問う内容で構成されています。マークシート形式の出題で、問題数は95問、合格には90%以上の正答率が必要です。 文章は1問1点、イラストは1問2点の100点満点です。
問題は普通免許の学科試験と似ていますが、一種に比べて応用問題が多く、難易度は上がっています。タクシーやバスなどの旅客輸送に特化した内容も含まれます。問題文は、基本問題と微妙に言い回しが異なる場合があるため注意が必要です。
普通二種と大型二種は問題が同じなので、タクシー運転手を目指している人でも、バスの問題を解かなくてはいけません。自分が使わないであろうジャンルの科目でも、勉強を怠らないようにしましょう。
技能試験
技能試験は、運転技術や安全運転の実践力を評価するものです。一種免許のときと同じように、教習所内での試験と路上での試験があります。第一種免許のときと比べると、採点内容の基準は厳しくなっており、90点以上で試験合格となります。
試験内容は主に、運転席の調整、ミラーの確認、エンジンの始動など基本的な操作を正確に行うことが求められます。普段の運転で身についていてしまった運転時の癖によって、試験の合格が難航する人も多いです。
路上試験では、実際の道路で指定されたルートを、安全に運転し、法規を遵守する能力が評価されます。運転手として、乗客を安全に送迎するためのスキルを見るため、ブレーキの踏み方や標識の確認などをより意識して、試験にのぞみましょう。
第二種免許の試験は、学科試験よりも実技試験のほうをしっかり押さえておく必要があります。学科試験は勉強を怠らなければ、受かる試験内容ですが、実技試験は合格率が10〜20%ほどです。
取得時講習
第二種免許を取得する際には、試験に合格したのち、指定された取得時講習を受ける必要があり、以下の2つの内容で構成されます。
応急救護処置講習
この講習では、交通事故時の応急救護処置の基本知識を学びます。具体的には、心肺蘇生法、止血法などの実技訓練が含まれます。講習時間は6時間で、費用は8,400円(税込)です。
タクシー運転の際は、身体が不自由な人を乗せる場合もあるので、そういった場合の乗降補助練習も行います。高齢者が足としてタクシーを利用する場合も多くあるので、その際の軽度な乗降補助方法も知識として入れておくとよいでしょう。
タクシー運転手になると、運転を職にすることで、交通事故などの緊急時に遭遇する機会が自然に増えます。緊急性を要する場面に遭遇したとき、いつでも対処できるよう応急救護の知識は正確に頭に入れておきましょう。
旅客車講習
旅客車講習では、旅客を安全に輸送するための知識と技術を学びます。乗客の安全を確保するための対応方法や法令にもとづく運行管理の知識が含まれます。講習時間は6時間で、費用は18,600円(税込)です。
基本的には、運転時の危険予測や安全運転をするための知識と技術を学びます。場合によっては、夜間や悪天候時の運転知識・技術の確認、身体が不自由な人や高齢者が乗車した際に安全運転を保つための講習なども行います。
旅客車講習は、自分がもっている一種免許の種類によって講習内容が変わります。普通・中型・大型と区分されており、それぞれにあった内容の講習を受けることが必要です。
第二種免許の取得方法
二種免許の取得方法には、自費で教習所に通う、一発試験を受ける、タクシー会社に就職するの3つの方法があります。費用、期間、取得の流れはそれぞれ違いがあるため、自分に合った方法を選ぶことが重要です。以下で、詳しくみます。
自費で教習所に通う
教習所で第二種免許を取得する場合、通って少しずつ講習を受講するパターンと、合宿に行って短期間で講習を受講するパターンがあります。教習所に通うと、運転に必要な知識や技術を正確に学べることが、よい点といえるでしょう。
取得の流れ
第二種運転免許を自費で取得する場合、教習所に入校する必要があります。入校後、学科講習と実技講習を受講し、卒業検定に合格すると仮免許が交付されます。
仮免許取得後、引き続き実技講習を受け、最終的な卒業検定に合格することで、運転免許センターでの試験を受ける資格が得られます。基本的には、第一種免許の時と同じような流れですが、試験の内容は難しくなっているので注意しましょう。
また、警察から指定を受けている「指定自動車教習所」を卒業できると、技能試験が免除となります。通う教習所を探す際は、なるべく指定自動車教習所を選ぶとよいです。
取得にかかる費用
教習所によって費用は異なりますが、一般的には22万円程度かかります。この費用には、入学金、学科講習料、実技講習料、教習車両使用料、卒業検定料などが含まれます。合宿に参加する場合の費用は、20万円前後です。
また、再試験が必要な場合は追加料金が発生します。
取得までの期間
全日制の教習所に通う場合、通常は約1〜2か月で二種免許を取得することが可能です。しかし、働きながら夜間や週末に通う場合は、もう少し期間が延びる場合があるため、余裕をもったスケジュールを組みましょう。
合宿に参加した場合は、最短8日ほどで免許取得が可能です。短期間で免許を取得したいと考えている人は、合宿をおすすめします。
一発試験を受ける
第二種免許は教習所へ通わなくても、直接試験場に行って試験を受けられます。一発試験は、教習所に通わずに試験のみで二種免許を取得する方法を指す言葉です。
取得の流れ
免許取得には、まず運転免許センターで事前審査が必要です。その後、学科試験と実技試験を個別に受験し、両方に合格することで二種免許が交付されます。
学科試験は平日であればほとんど毎日実施していますが、技能試験は月に数回しか行っていない場合が多いため、日程調整には注意が必要です。場合によっては、学科試験と本試験との間が、少し空いてしまう場合もあります。
取得にかかる費用
一発試験の費用は教習所に通うよりも低く、通常は試験料のみで済みます。試験料は、学科試験が3,000円、実技試験が4,000円程度です。 合格した場合に受ける取得時講習の費用は2,7000円ほどとなっています。
ただし、再試験が必要な場合はその都度費用がかかります。一発試験にのぞむ場合は、個人での試験対策が必須のため、対策を怠ると合格が遠のき、その分費用もかかるでしょう。
取得までの期間
一発試験は、試験に合格するまでの回数によって期間が大きく異なります。1回の試験で合格できた場合、取得時講習もあわせて20時間ほどで免許が交付されます。
しかし、1回の試験で合格する割合はかなり低く、10%以下ともいわれています。数回の再試験が必要となる場合、合格に数か月かかることもあるため、教習所へ行ったほうが早かったといったケースも多いです。
タクシー会社に就職する
タクシー会社が、就職後に第二種免許を取得できる制度を設けていることが多く見受けられます。未経験でタクシー運転手への就職を考えている人は、未経験者へのサポートが充実している会社を選ぶとよいでしょう。
取得の流れ
タクシー会社に就職すると、会社が指定する教習所で二種免許を取得するためのサポートを受けられます。第二種免許を取得するための技術や知識を正確に学べるよい機会なので、誠心誠意受講しましょう。
まず、会社の採用試験に合格し、入社後に教習所に通います。会社によっては、合宿の場合もあり、短期間で免許取得が可能です。
教習中は、学科講習と実技講習を受けます。第一種免許と同じように、卒業検定に合格すると、運転免許センターでの試験を受けられ、そこで合格すると第二種免許が交付される流れです。
取得にかかる費用
ほとんどの場合、タクシー会社が費用をすべて負担するため、個人の費用負担はほとんどありません。ただし、会社によっては一定期間の勤務を条件とする場合があります。
会社選びの際は、入社後の研修制度を調べることにプラスして、金銭面のサポートにはどのような条件があるのかも調べておくようにしましょう。
取得までの期間
タクシー会社に就職してから二種免許を取得するまでの期間は、通常は約1か月から2か月です。これは、全日制の教習所に通うのと同様のスケジュールで進むためです。
会社によっては、免許取得のための合宿制度を設けている会社もあります。合宿の場合は8日ほどで免許取得できる場合もあるので、合宿制度のある会社を選ぶことで、タクシー運転手としてのデビューを早められます。
こちらの記事でも、タクシー運転手になる方法について解説しています。必要な資格だけでなく、必要なスキルなども紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
免許を取得してタクシー運転手として働く流れ
第二種免許を取得した後は、どのような流れになっていくのでしょうか。以下で、第二種免許を取得してからタクシー運転手として働くまでの流れを紹介します。
個人タクシーの場合
個人タクシーの運転手になりたい場合は、第二種免許を取得した後に、必ず法人タクシー運転手として働く必要があります。
法人のタクシー会社へ応募し、書類選考と面接を経て、法人タクシー運転手となり、その後運転経歴を積んだのち、個人タクシー協会へ申請をします。
申請に必要な運転経歴や条件は、年齢によって異なりますが、35歳未満は10年以上の同一タクシー会社での勤務が必要です。加えて、申請以前10年間は無事故無違反であることも条件とされています。
35歳以上からは運転経歴によって、申請条件は変わってきますが、10年以上運転乗務を続けていなければいけない点は変わりません。また、個人タクシーを営業する場合は、規定の営業地区に住居を移す必要があります。
さまざまな条件をクリアし、個人タクシー協会の認可を受けられれば、晴れて個人タクシー運転手として乗務を開始できるのです。
法人タクシーの場合
法人タクシー運転手の場合は会社へ応募し、書類選考と面接を受け、内定をもらえれば、法人タクシー運転手として運転業務に就けます。
だいたいの会社は内定後に研修期間があるので、未経験でも安心してタクシー業務を学べます。会社の特色や強みを確認しながら、自分に合った働き方ができる会社選びを心がけましょう。
タクシー会社によっては、第二種免許取得前でも、内定後に会社負担で第二種免許試験を受けられます。メトロ自動車株式会社では、入社後の合宿で第二種免許を取得でき、その費用も会社が負担してくれます。
第二種免許取得前の未経験者でも、安心のサポートが充実しているので、タクシー運転手の道を検討している方は、ぜひメトロ自動車株式会社へご相談ください。
免許を取得して働くならメトロ自動車株式会社がおすすめ
第二種免許取得をして、タクシー運転手として働くのであれば、メトロ自動車株式会社がおすすめです。メトロ自動車株式会社はどのようなタクシー会社なのか、以下で詳しくご紹介します。
メトロ自動車株式会社とは
メトロ自動車株式会社は、横浜・横須賀エリアで創業から80年、地域に愛される老舗のタクシー会社です。培ってきた信頼と実績を絶やさぬよう、丁寧に真心込めて、乗客を送迎することをモットーとしています。
運転手一人ひとりの暮らしやライフスタイルを尊重し、自由な働き方ができることが魅力のひとつです。
通常、タクシー運転手は隔勤という長時間勤務が主流ですが、メトロ自動車株式会社では、ライフスタイルに合わせて3パターンから時間帯を選べます。急な早退や有給などの休みも、予定に合わせて柔軟に調整できるのは嬉しいポイントです。
また、業界でも貴重な自社無線で指名する乗客が半数を占めています。最近ではアプリの普及により、効率的に配車できるようになったため、運転手一人ひとりの営業効率と給与の向上が見込めます。
地域密着型のメトロ自動車株式会社だからこそ、誰に見られても恥じることのない行動や接客を目指して、日々運転業務に励んでいるのです。メトロ自動車株式会社は、自分と乗客を大切にできて、夢をもった人を常に歓迎しています。
メトロ自動車株式会社で免許を取得するメリット
メトロ自動車株式会社で免許を取得するメリットは、会社で第二種免許を取得する際、入社後に合宿で免許を取得できるようになっている点です。合宿の際は、3食食事つきの個室が用意されており、新横浜から静岡までの新幹線代も支給されます。
合宿期間中は日雇い採用となり、日給1万円が支給されます。免許が取れてから正社員採用をして、2か月間は売上と出勤数にもよりますが、給与は30万円が最低保障給です。2か月間のあいだに、地理や仕事の仕方などを覚えてもらいます。
免許の取得費用は会社負担になり、2年間勤務で免許の取得費用の返還はありません。免許取得中に金銭面を気にしなくてよいので、心して教習にのぞめます。
現在は、静岡自動車学校静岡校での免許取得となり、新幹線の駅から送迎バスで現地へ向かいます。スケジュールは、もっている免許に応じて変動しますが、準中型5t以上は7日、普通免許は9日で第二種免許が取れる仕様です。
まとめ
タクシー運転手としてのキャリアをスタートするには、第二種運転免許が不可欠です。免許取得には、学科試験や実技試験をクリアし、健康診断に合格することが求められます。
試験ときくと、堅苦しく難しいイメージですが、運転が好きな方や向上心が強い方であればそう難しくはありません。第二種免許を取得するとさまざまなチャンスが増え、就職・転職の幅も広がります。
メトロ自動車株式会社では、未経験でも安心の研修制度が数多く用意されています。第二種免許を取得してからのサポートも充実しているので、万全の状態でひとり立ちすることが可能です。
メトロ自動車株式会社は、個人のライフスタイルを尊重し、自分とお客様を大切にできる人材を歓迎しております。タクシー運転手として活躍したいと考えている方は、ぜひ一度ご相談ください。